【2026年秋】日銀の追加利上げで投資信託はどうなる?資産クラス別の影響と賢いポートフォリオ戦略

2026年9月、日本銀行(日銀)は金融政策決定会合において、さらなる追加利上げを決定しました。
これにより、日本の政策金利は1995年以来、約31年ぶりという高水準に達することとなりました。

 

この歴史的な金融政策の転換は、私たちの資産形成に欠かせない「投資信託」に極めて大きな影響を与えます。
金利の上昇は、国内の景気だけでなく、為替相場や海外市場にも連鎖的に波及するためです。

 

自分が保有しているファンドがどのような影響を受けるのか、不安に感じる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、ゼロワン編集部が日銀の利上げが投資信託に及ぼす影響を資産クラス別に徹底解説します。

 

市場の激しい変動に翻弄されないための具体的な運用戦略や、今後のポートフォリオの組み換え方についても詳しく紹介します。
時代の変化に対応し、賢く資産を守り育てるための道標として、ぜひ参考にしてください。

 

目次

日銀の「利上げ」が投資信託に及ぼす二大ルートと市場背景

日銀は2026年9月18日の金融政策決定会合において、政策金利を0.25%引き上げ、1.25%程度とすることを決定しました。
この追加利上げは、同年6月に続く動きであり、日本の金利環境が本格的な「金利のある世界」へ突入したことを意味します。

 

投資信託の基準価額は、ファンドが組み入れている株式や債券などの時価評価によって毎日算出されます。
そのため、日銀の利上げは、主に以下の「2つのルート」を通じて投資信託の価格に影響を及ぼすことになります。

 

①株式市場における株価の変動要因(金利負担の増加と買い手控え)

金利が上昇すると、企業が金融機関から資金を借り入れる際の金利負担(利息支払い)が増加します。
これにより、企業の純利益が圧迫されやすくなり、業績見通しが慎重になる傾向があります。

 

また、金利が高くなると、投資家は「リスクの高い株式を無理に保有するより、金利が付く安全な預金や債券にお金を移そう」と考えます。
こうした心理的変化から、株式市場全体には資金が流入しにくくなり、短期的には株価の下落圧力が強まりやすくなります。

 

②為替市場における「円高・ドル安」への誘導要因

日本の金利が上昇すると、これまで大きく開いていた「日米の金利差」や「日本と世界の金利差」が縮小することになります。
その結果、世界中の投資マネーが「金利の低い円を売って、金利の高いドルを買う」という流れから、「日本円を買い戻す」という方向へシフトします。

 

このメカニズムにより、外国為替市場では「円高・ドル安」が進行しやすくなります。
急激な円高の進行は、海外資産を組み入れているすべての投資信託にとって、円換算時の評価額を目減りさせる直接的な要因となります。

 

【資産別】金利上昇が投資信託の「基準価額」に与える直接的な影響

金利上昇の影響は、投資信託がどのような資産クラスに投資しているかによって全く異なります。
自分の資産を守るためには、投資先ごとの値動きの特性を正確に理解しておくことが不可欠です。

 

主要な資産別における影響度合の早見表

各資産クラスが受ける影響を個別に詳しく分析していきましょう。

 

国内株式型ファンド:金融セクターと成長(グロース)セクターでの二極化

日本国内の株式を対象とするインデックスファンドやアクティブファンドは、組み入れている業種(セクター)によって明暗が分かれます。
銀行や保険などの金融関連株は、利上げによる貸出金利の上昇や運用環境の改善から、業績向上が期待されます。

 

そのため、TOPIX(東証株価指数)などのように金融株の構成比率が一定以上あるファンドは、好影響を享受しやすいと言えます。
一方で、新興市場のIT関連企業などに代表される「グロース株」は、金利上昇が将来の成長価値を割り引く要因となるため、株価の大幅な下押し圧力を受ける可能性が極めて高くなります。

 

銀行などの金融株比率が高いアクティブファンドやTOPIX連動型は、相対的に底堅い推移が期待できる局面です。

 

国内債券型ファンド:短期的には価格下落リスク、中長期的には利回り改善

債券と金利には「金利が上がると、債券の価格は下がる」という基本原則があります。
世の中の金利が上がると、過去に発行された低い金利の債券の価値が低下するためです。

 

したがって、国内の利上げ局面においては、日本の国債などを中心に組み入れている国内債券型ファンドの基準価額は、一時的に下落する(元本割れのような状態になる)可能性が高くなります。
ただし、これには中長期的な「回復のシナリオ」も存在します。

 

ファンド内で満期を迎えた債券が、順次、金利の高くなった新しい債券へと買い換えられていくためです。
中長期的に保有を続ければ、保有債券全体の平均利回りが上昇し、将来の収益安定化へ寄与することになります。

 

金利急騰時には一時的にマイナス評価になる可能性が高いため、短期での売買は避け、中長期視点で構える必要があります。

 

外国株式・外国債券型ファンド(S&P500・全世界株式):為替の円高シフトに警戒

多くの個人投資家が新NISAなどを通じて保有している「S&P500」や「全世界株式(通称:オルカン)」などの海外資産に投資するファンドは、現地での株価変動だけでなく、日本の為替変動による影響をダイレクトに受けます。
日本の利上げは、前述した通り「急速な円高・ドル安」を引き起こす最大の引き金となります。

 

例えば、米国の株価が変わっていなくても、為替が1ドル=150円から140円へと円高が進むだけで、日本円に換算したファンドの基準価額は約6.6%下落してしまいます。
海外市場の株高メリットが、円高による「為替差損」によって相殺されてしまうリスクには、最大限の警戒が必要となります。

 

オルカンや米国株一本槍のポートフォリオを組んでいる場合、日本円ベースでの評価額が一時的に目減りすることを覚悟しなければなりません。

 

REIT(不動産投資信託)型ファンド:借入金利の上昇がダイレクトに収益を圧迫

REIT(J-REITなど)は、投資家から集めた資金に加え、金融機関からの多額の借入金を活用してオフィスビルやマンションなどの不動産を購入・運用しています。
利上げ局面では、当然ながらこの借入金に対する支払金利(ファイナンスコスト)が上昇することになります。

 

借入コストの増加は、分配金の原資となる純利益を圧迫するため、REIT型ファンドのパフォーマンスにはマイナスに働きます。
また、安全な国債の利回りが上昇すると、わざわざリスクを取って不動産(REIT)に投資する妙味が相対的に薄れるため、市場からの資金流出が起きやすく、価格下落のダブルパンチを受けやすい点に注意が必要です。

 

借入比率が高い銘柄や、金利上昇分を賃料に転嫁しにくいセクターを多く含むREITファンドは、逆風に晒されやすいと言えます。

 

金利上昇局面で実践すべき投資信託の見直し方と「NISA」活用法

日銀の歴史的な利上げ発表を受けて、「すぐに保有ファンドを売却した方が良いのではないか」と慌てる必要はありません。
金利環境が激変する今だからこそ、冷静に自身の資産配分(アセットアロケーション)を見直し、一貫性のあるルールに基づいた投資戦略を維持することが求められます。

 

新NISAでの積立投資は「長期運用」を前提に淡々と継続する

新NISA(つみたて投資枠)などで、オルカンやS&P500といった世界株インデックスに積立投資を行っている方は、目先の円高による基準価額の一時的な下落を恐れて売却してはいけません。
積立投資の本質は、定額で買い続けることによって、相場の下落局面に「より多くの口数を安く買い仕込む」点にあります(ドル・コスト平均法)。

 

円高による株価調整局面は、将来の資産拡大のための「絶好の仕込み時」と捉えるのが、投資の定石です。
相場環境の変化に狼狽し、これまでコツコツと継続してきた積立設定を途中で解除してしまう行為は、最も避けたい悪手です。

 

10年、20年といった長期のスパンで資産形成を目指すのであれば、日銀の政策決定に一喜一憂せず、淡々と機械的な積立を継続しましょう。

 

為替リスクを低減するための「国内資産」への適切な分散配分

もし現在のポートフォリオが「米国株式ファンド100%」など、海外資産へ過度に偏っている場合は、資産配分の見直しを検討すべき好期です。
日本の金利上昇が続く局面では、今後もじわじわと円高トレンドが定着していく可能性があります。

 

為替変動による資産全体の振れ幅(ボラティリティ)を抑えるためには、円建ての資産を一定割合組み込んでおくことが有効なアプローチとなります。
具体的には、以下のような「日本円ベースの資産」を組み合わせることが推奨されます。

 

・元本割れリスクがほぼない「個人向け国債(変動10年)」
・金利上昇の恩恵を受けやすい「国内株式(TOPIXなど)型ファンド」
・安全資産としての「日本円の預貯金(定期預金など)」

 

特に「個人向け国債(変動10年)」は、世の中の実勢金利の上昇に合わせて半年ごとに適用金利が見直されるため、金利上昇に強いという特徴を持っています。
このように、国内外の株式、債券、安全資産を適切なバランスに配置することが、予測不能な相場を生き抜くための最強の防衛策となります。

 

相場環境に左右されにくい「AI自動売買システム」という代替選択肢

「投資信託の値動きを毎日追いかけるのが精神的に辛い」「円高や金利の上昇といった相場分析を自分で行う自信がない」という場合は、従来のインデックス投資とは全く異なる仕組みを活用するのも一案です。
例えば、市場のトレンドに依存せず、機械的なシステムトレードで収益機会を狙う「ゼロワンシステム」のような選択肢があります。

 

ゼロワンシステムは、AIを用いた自動売買により、専門的な投資知識が不要で、初心者でも初期費用1万円から始められる短期決済型の運用システムです。
利上げによる金利や為替の上下動そのものを取引機会(FXやゴールドなど)に変えることができるため、一方的な円高局面でもリスクをコントロールしながら柔軟な資産形成を目指せます。

 

投資先を投資信託だけに限定せず、こうしたテクノロジーを活用した自動運用サービスを組み合わせてポートフォリオを構築するのも有効な分散投資の一環です。

 

利上げ期の資産形成やポートフォリオ構築で迷った際の相談窓口

金利や為替がこれまでに経験したことのないダイナミックな動きを見せる中で、「自分の今の資産運用は本当に正しいのだろうか」「年齢や家族構成に合わせたリスクの取り方が分からない」と、独りで不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。
資産運用の方向性に迷いが生じた際は、お金の専門家(独立系ファイナンシャルアドバイザー=IFA)へ客観的なアドバイスを求めることが、失敗を防ぐ最も確実な道です。

 

無料のオンラインマネープラン診断やセミナーを活用すれば、市場の最新情勢を踏まえた、あなただけのライフプランに沿った最適な運用シミュレーションを受けることができます。
多くのプロのアドバイザーは、顧客の要望がない限り、特定の金融商品への無理な勧誘や売買契約の強要などは一切行いません。

 

利上げ局面だからこそ、これまでの自己流投資をアップデートし、第三者の目を取り入れる価値は大きいです。
プロと一緒にお金の健康診断を行い、市場の変化に動じない強固なマネープランを再構築することをおすすめします。

 

よくある質問

日銀の利上げで、なぜ米国株インデックス(S&P500等)の評価額が下がるのですか?

日銀の利上げによって日米の金利差が縮小すると、外国為替市場で「円高・ドル安」が進行しやすくなります。海外資産を組み込んだファンドは円ベースで価値を計算するため、米国現地での株価が下落していなくても、円高が進むだけで日本円に換算した際の基準価額が下がってしまいます。

オルカン(全世界株式)の積立投資は、円高になっても辞めない方がいいですか?

はい、積立投資は途中で止めずに継続することをお勧めします。価格が下落しているタイミングでも定額で積立購入を続けることで、より多くの口数を安く買い付けることができます(ドル・コスト平均法)。これにより、将来の市場回復期に大きなリターンを得られやすくなります。

利上げ局面で最も恩恵を受ける国内株式型ファンドの特徴は何ですか?

金利上昇の恩恵を受けやすいのは、銀行や保険会社、ノンバンクなどの「金融セクター」を多く組み入れているファンドです。これらの企業は利ザヤの改善などにより収益性が高まるため、TOPIX連動型ファンドや、高配当・バリュー(割安)株をメインとするアクティブファンドが有利に働く可能性があります。

利上げにより、国内債券型の投資信託は永久に元本割れしたままですか?

いいえ、そうではありません。金利が急上昇した直後は既存債券の価値が下がるため、一時的に基準価額が下落します。しかし、ファンド内で満期を迎えた債券が、金利の上昇した新しい高利回りの債券へ買い換えられていくため、中長期的には運用の利回りが徐々に改善し、基準価額も回復へ向かう仕組みになっています。

J-REIT(不動産投資信託)は、金利上昇に弱いと聞いたのですが本当ですか?

本当です。REITは不動産物件を購入する際、金融機関から巨額の資金を借り入れていることが多く、金利が上昇すると支払利息(借入コスト)が増加して収益や分配金を引き下げる要因になります。また、国債金利が上昇することで、REITをあえて保有する投資対象としての魅力が相対的に下がり、価格の売り要因となるため注意が必要です。

 

まとめ:金利動向を見極めた投資信託の適切な運用法

日銀が決定した金利の追加引き上げは、日本の個人投資家の資産形成に「大きなパラダイムシフト」をもたらしました。
これまで続いていた「超低金利・極端な円安」という一方的な追い風が弱まり、今後は為替変動を織り込んだきめ細やかなアセットマネジメントが要求されます。

 

しかし、こうした市場環境の変化に一喜一憂し、急いで保有中の投資信託を解約する必要は全くありません。
大切なのは、自分が今どのようなリスクを取っているのか、ポートフォリオのバランスを客観的に再認識することです。

 

・外国株式だけに偏りすぎず、国内株式や債券、個人向け国債を適切に組み合わせる
・新NISAなどの積立投資は、長期的な将来価値の増大を信じて継続する
・市場変動そのものを強みにできる「ゼロワンシステム」などの自動売買の活用も検討する

 

日本の経済や金利環境は今、新しいスタートラインに立ちました。
市場の一時的な動揺や円高バイアスに惑わされることなく、長期・分散・積立という本質的なルールを貫き通すことこそが、最も確実な資産防衛となります。

 

一人での運用の見直しが難しいと感じるならば、躊躇なく専門家のアドバイスを受け、最適な資産形成の航路を歩み進めていきましょう。
激動の時代にあっても、冷静な資産コントロールを忘れない姿勢が、あなたの明るいマネープランの未来を創り出します。

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